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昇り龍_デザイン 

今回の「昇り龍」、T.L.B.では少々久しぶりの龍Tシャツの登場となります。
過去のほとんどの龍柄はおかげさまで人気を頂いておりまして、半定番商品となっています。
最後に描きましたのは、KIDSものとしましての「天空龍」です。18柄という間を空け、次に描く「龍」はどういったものにしようかと考え悩みました。
今までは、過去に描かれ、受け継がれてきた龍の姿を参考にしながら描いていたのですが、今回は自分がイメージする龍という事に焦点を当て描いてみようと試みました。
よく見られる怖い形相ではなく、静かで雄大な存在としての龍の姿を描いたつもりです。

昇り龍_デザイン_部分 

昇り龍、その昔は日本人の間でも実在するのでは?と信じられ、またその姿を見たという話しも残っているようです。海面で起きた竜巻の情景にまさに「昇り龍」の姿を見いだしていたのです。
実在するのか、しないのか、はっきりしないそんな様子を透明なイメージ「空気と同化している」というか、自然現象が作り出した幻影のような表現でプリントしています。

原画は友禅の技法を使い、独特な筒描きの線で雲の動きや消えそうな龍でありながら克明に線画として表現しています。

他にはない、この「昇り龍」のお顔は我ながら、良い表情に描けたと自負しております。


今回のプリント表現につきましても、職人さんに何度も透き通るような表現の為にサンプルを作っていただき、これならばきっと自分のイメージする世界観が出せると確信し、後は職人さんの腕に託しています。

手間のかかる作業ですが、その分、簡単なものとは違う価値がそこに生まれるのだと思います。

原画作成も、筆で描けばすぐに出来るものを、幾つもの行程を経なければならない友禅の技法を取り入れたのも、上で述べさせていただいた事と関係しています。

簡単で大量で安ければいい。そういうものの中には存在しない価値を商品に与えたかったのです。


現在、GWに店頭へと職人さんに無理を申して頑張ってもらっています!
ご期待くださいませ!!
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さて、サンプル作り最後の行程に入ります!

糊落とし1

墨汁にて彩色の終わったものをしっかりと乾かします。
これを「からす(漢字でどう書くかしりません…)」と、いいます。
通常であれば、型染めの場合などは今回ように和紙を使ってほぼ同様の作業をするのですが、顔料で彩色する際に「豆汁(ごじる)」という、豆をミキサーにかけ砕いたものを布巾などで包み、水の中でもみ出した、いわば豆乳のような液体を固着材代わりに使用するのです。この豆汁のタンパク質が乾き、空気と結合し、堅牢な皮膜となり、水で洗っても落ちなくなるのです。

今回はサンプルなので、とりあえず一晩乾かすだけでよいかな?墨汁のほうが堅牢度高そうだしと。

上の画像のようにしばらく(1〜2時間)水に浸けておきます。そうすることで、糊が水分を含み再びやわらかくなって洗い落とせるのです。
型染めの型を洗う設備があれば、今回の作業にうってつけなのですが、そんなものあるわけもなく、糊がやわらかくなった状態のものを水から取り出し、板の上に載せ、蛇口の流水でやさしめに洗い落としました。無理に手でこすったりしてしまうと、墨汁と言えども摩擦には強くないので色が落ちてしまう恐れがあります。
ひととおりキレイに糊が落とせたかな?というところで僕は再びキレイな水に浸し、しばらく待ち、同様の行程をもういちど繰り返します。
糊が残っているとそこからカビてしまう恐れがあるからです。

洗い上がったものは、板の上にシワのないように置き、後は乾くのを待ちます。
なかなか乾きがよくなかったので、板に新聞紙をピシッと張ったものに改めて置き、乾燥させました。

糊落とし2

そんなこんなでサンプル完成です!
なんとか思い通りに作業が出来ることを確信出来たので、本番に突入です。


前回のように糊を引いた上からいよいよ彩色していきます。
糊が完全に乾いてからの作業です。しかしながら、乾きすぎるとひび割れてはがれ落ちたりもする場合があります。糊に塩を混ぜ、湿度と糊の関係を調整したりもするんですよ。

刷り込み刷毛

彩色に使う道具、「刷り込み刷毛」です。これもなかなかイカしたルックスではありませんか?さておき、基本的には布に染料を刷り込んで行く為の道具なので、このような形状をしています。先端は筆のように尖らず、平な状態です。

今回は色を付ける必要性がなかったので、墨汁一色で染めています。

糊で防染しているとはいえ、びしょびしょに色を付けてしまうと裏から染料がまわり、キレイな糸目が出ません。なので、刷毛につけた余分な染料はしごき落とすというか、結構かすかすな感じで少しずつ染め付けていきます。かすかすな感じながらも裏まで色がしみ込むようにするのがポイントなのです。

今回は紙なので、表面上にしか墨汁をのせていません。

染液の濃度も重要なのです。水のようにさらさらしていると滲んだりする原因になったりします。染料で染めるときには「ふのり」という海藻の乾物を水に浸け戻したとろりとしたものを濃度調整に使ったりもするのですよ。

彩色

とりあえず、墨汁一色でも糊がレリーフ模様のようでこれだけでもいい感じかも!と思ってしまいました。
次の新作には伝統技法を取り入れます! 
先日の日記、3/1「道具のこと」で少々ふれましたが、現在制作中の新柄は伝統技法「友禅染」にて原画を制作しています。
こう見えましても、実は11年間に渡り染織の伝統技法に携わっていた過去があります。

現在のT.L.B.でさせて頂いているお仕事はどうしても商業として成り立たなくてはならないので、プリントという技術でTシャツを制作するのが最も効率が良いと思われます。(Tシャツのコストの面から考えても。)

今まで出した柄の中にも日本の伝統技法を取り入れたものは何点かありました。比較的思いつきやすく、しかもプリントの原稿にしやすい「型彫り」です。

今回挑戦しました「友禅」技法は通常布の上に行われる作業なのですが、自分なりに紙の上で出来ないか?とサンプル作りを重ね、ようやく表現に結びつきました。

筒描き

こんな感じで作業を進めています。
新柄Tシャツの入荷は4月下旬くらいになりそうですが、それまでの間、紙の上での筒描き表現の行程をちょっとずつ紹介させていただきますね。
九州のお客様からのお話によりますと、もう桜が咲始めているそうですよ!
ソメイヨシノなのでしょうか?
え?もう?と思ってしまいましたが、3月も半ば、そろそろ春本番を向かえようとしています。東京もあと2週間程経てばソメイヨシノが咲始めるんですね。わくわくしてしまいます。
今朝方、見上げた桜の木の枝先の膨らみはじめた花芽が「もうすぐですよ〜」と言っているような、季節は確実に次へと進んでいます。

そんな中、東京ローカルバザールは東京では一足お先に桜満開宣言です!
新作Tシャツはその名も「桜満開」!

桜満開2010

実はこの柄、2007年に初登場したものを新たにプリントしたものなのです。
このブログを始める直前に発売されたものなので、もしかしたら初めてご覧になる方もいらっしゃるかもしれないですね。

桜をモチーフにどう描こうか、分かりやすい桜の絵もかわいいのですが、桜の持つ儚さや何色ともいい難い淡い色彩を表現したいと筆をとった事を思い出します。

毎年、この季節には新柄として桜柄を描いてきていましたが、今年はあえてこの「桜満開」をお届けしたく再版を決心しました。
絵の内容も、タイトル名も、個人的にも大好きなのです!
春爛漫、暖かな風を受け枝をやさしく揺らす満開の桜!そんな光景が私たちに与えてくれる気持ち、感情、そんなものがこの2010年の春に必要だと思ったのです。

桜満開2010_部分


色柄は初版当時のままですが、当店の定番的なムラ糸天竺(素朴な雰囲気)ではなく、マイクロ天竺という滑らかでさらっとした感じの素材をボディに使用しています。
(昨年発売の舞桜もマイクロ天竺ですね)

こちらの柄は、実は過去にも何度か追加生産をかけているのですが、おかげさまでいつもご好評を頂き完売しています。気になってくださった方は是非ともお早めに!

レディース Vネック 桜満開2010

男女兼用クルーネック、レディーズVネックにプリントいたしました。
隅田川へお花見の際には是非この「桜満開」も見物しにきてくださいませ。というよりは、お花見の時にお召しいただいたほうがよろしいのかもしれませんね!
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プロフィール
HN:
日出夜
年齢:
53
性別:
男性
誕生日:
1971/05/09
職業:
絵師
趣味:
園芸 石集め
自己紹介:
東京ローカルバザール 
絵師/デザイナー
東京在住

1993年 多摩美術大学美術学部デザイン学科染織デザイン科入学。在学中に染色技法(友禅染、ろうけつ染、型染、しぼり染)、スクリーンプリント技法(染料、顔料、特殊プリント)を専門に学ぶ。

1997年 学部卒業後、同大学染織デザイン研究室(改組にて生産デザイン学科テキスタイルデザイン研究室となる)に入室。7年間に渡り教育現場とテキスタイルに携わりながら、「染色する」という工程から生まれる素材感や色彩効果を中心に自らの表現を模索する。

2004年 大学研究室を退職し次なる活動の場を探しつつ自由きままな生活をはじめる。財力も尽き果て明日をどう生きるか?くらいの窮地の中、絵画を日々の糧のために描く機会にめぐまれ、人とのつながりの大切さを思い知る。その時、絵画を描く中で純粋に美しい色と形が描き出す世界の奥深さと安堵感を再認識する。

2005年 東京ローカルバザールのプロジェクトに出会い、プロジェクトの意図することに深く共感と意義を覚える。「布」「染色」「絵」「人とのつながり」という自らの創作の複数のテーマを一つに現せる場所としてこのプロジェクトを認識しデザイナーとして就任する。

2006年1月 東京浅草に「東京ローカルバザール」開店。

迅速堀起成为世界知名的T恤品牌Tokyo Local Bazaar,设计师兼创办人日出夜利用他对染织设计的知识 ,将传统的印染技巧运用于现代的设计上,打造出一系列色彩夺目,抢眼独特的T恤。Tokyo Local Bazaar的专门店设在东京的游客区浅草,更为产品添上日本独有的下町气息。
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